複雑で長めのさえずり
日の出30分前くらいでしょうか、1日の中で野鳥達がいちばん多くさえずる時間帯があります。「夜明け前のコーラス」と呼ばれることがありますが、中でもこのミソサザイは一番早いくらいに鳴き始めます。そんで声が大きい。体は小さいのに、よく通る声で、しかもメロディが複雑で長い。
山吹に、よく植樹祭とかやる「野鳥の森」ってありますが、ここでは朝どんなに早く行ってもミソサザイのさえずりを耳にすることはできません。おるのは、小川というか、沢みたいな水辺があるところ限定のようです。この鳥は一年を通しておるやつらしいですよ。
「高森町の動植物」175ページね
高森町編纂の「高森町の動植物」によると、地表近くを素早く歩いたり短く飛んだりしながら、木の株元や岩の裏側に潜っては虫を探して暮らす黒褐色をした日本でもっとも小さい鳥の一種だそうです。
秋や冬の間は、段丘崖や西山地下部の地表近くで姿を見ますが、2月末になると山地上部へ上り始め、やがて谷や沢沿いの石や倒木がごろごろしている場所に落ち着きます。崖の裏側や倒木の隙間に苔を使って巣を作り、産卵以降の子育ては雌が中心になって行います。雄は別の雌を求めて巣から離れてしまいます。これはこの鳥の繁殖が一夫多妻というシステムで進ことを示す行動です。