4月10日「陵王の舞(りょうおうのまい)」奉納~新衣装お披露目

 瑠璃寺には『陵王の面』(通称:顎なしの面)が現存しているが、舞自体は長らく途絶えていた。
瑠璃寺に伝わる「獅子児乃舞の儀式」や「獅子龍王舞興行」によると、江戸時代には「龍王舞(りゅうおうのまい)」ともよばれ、稚児による胡蝶の舞、龍王の舞、獅子曳き、歌、口上、狂言などがおこなわれていたとされている。また1735年当時は現在のような大型の屋台獅子ではなく、複数の舞楽によって構成されていた様子がうかがえる。
 瑠璃寺が現在の地に移転して3回目の御開帳を迎える1796年には(瑠璃寺の御開帳は60年に一回のみ)、現在の形態である屋台獅子として大型化されたことが古文書より推測される。宇天王は屋台獅子の大型化にともなって、獅子の引手として生まれた可能性が高く、その所作は龍王の舞の所作が導入されたと言い伝えられている。

 長らく途絶えていた陵王の舞の復刻を望む声は以前からあったが、情報の少なさが復刻を妨げていた。2012年の瑠璃時開基900年特別開帳に合わせて、若手を中心とする有志が舞の復刻を試み、試行として実演された。舞の基本は全国にある陵王の舞を参考にしながら、宇天王の所作を取り入れ、曲は雅楽の流れをくむ獅子舞のデハをそのまま取り入れた。衣装は、全国の陵王の舞を参考に独自に有志が制作した。
この時に使用した瑠璃寺に伝わる陵王の面は、取り付けてあった面上の龍が紛失しており、臨時の龍を制作して使用した。現在の面は、2013年に陵王の舞を見た大鹿村在住の能面師 井上欣一氏から申し出により新たに寄進されたもので、壊れた面に代わって2014年から使われている。

 試行として舞われた2011年から10年を経て、2022年には正式な獅子舞保存会の舞として認められた。同時に、全国自治宝くじ助成事業の対象となり、この度、本格的な衣装が出来上がった。


 2022年4月10日11時より、瑠璃寺本堂前にて初披露される予定である。

情報提供:瀧本住職さん

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