Dr.コバヤシの歯ごたえのある話26 新型コロナワクチン TAKART26
- 2021/10/26
- 団体/イベント
新型コロナワクチンにはいまのところファイザー製・モデルな製・アストラゼネカ製があり、厚生労働省の専門部会で発症予防などに高い有効性が示されたとして承認了承した。しかし一方で、複数のワクチンが普及することによる混乱が懸念される。
2月に承認されたファイザー製は12歳以上が対象で、「メッセンジャーRNA」という遺伝物質を投与し細胞に新型コロナ特有のたんぱく質を作らせ免疫をつける。海外の治験では95%の発症予防効果が認められたが、壊れやすいのが弱点で、長期保管などに問題がある。副反応においては、医療従事者2万人分の調査では、2回目の方が発熱・頭痛などが出やすいことが分かっている。思いアレルギー反応のアナフィラキシーは100万人当たり37にんの頻度となっている。
モデルナ製は18歳以上が対象で、ファイザー製と同じ技術が使われており、発症予防効果もほぼ同じで、ファイザー製より保管が楽で扱いやすい。副反応もファイザー製と似ている。アナフィラキシー発症割合は40万人に1人とされているが、ファイザー製のように数百万人規模のデータがないことに不安の声もある。日本ワクチン学会理事で長崎大学の森内浩幸教授は「多くのアジア人も接種しているので心配ない」としている。
国の大規模接種会場は、3か月限定で東京と大阪を合わせても135万回分しか消費されない。自治体でも同様の会場を設ける動きがあるが、使用量などの全体像は判然としない。また、ファイザー製とモデルナ製が同時に流通した場合、配送や保管をめぐって混乱が生じる可能性がある。
アストラゼネカ製は、新型コロナの遺伝子の一部を、運び屋役の別のウイルスに組み込んで細胞内に送り込むのが特徴で、有効性は76%。比べると低いが、季節性インフルエンザワクチンに比べると高いし、国内で生産できるのも利点として大きい。しかし、稀に血小板減少を伴う血栓による死亡例が報告されており、若年層を中心に使用を見合わせる国が相次いでいる。
コロナのワクチンはそれぞれのつぃしつや体調などを考慮し、それぞれの判断にゆだねられ強制されるものではない。そしてまた、変異ウイルスによって状況は複雑に変化している。病気自体の特性がまだ明らかではないので難しいが、早い収束が待ち望まれる。