\愛好家200人超!/人もタカも今がピーク~この季節は白樺峠『タカ見の広場』が屈指の観察地

南方で越冬するタカ類の大移動
タカの渡り
白樺峠は大移動するタカ類の交通の要所
9月は渡り鳥が移動する季節、バードウォッチャーのソワソワが止まらない季節でもあります。この時期だけの野鳥の動きがバードウォッチング界隈では年に一度の大イベントなんです。
日本各地で渡り鳥が観察されますが、長野県の白樺峠には全国的に有名な観察地があるんです。
『タカ見の広場』と名付けられた場所は、渡りを行うタカ類が南へ向かうためのゲートのようなところで、夏を北日本で過ごしたタカ類が1万羽以上もここを通るんです。
県外ナンバーがずらり
鳥も多いけど人も多い
9月24日はみんなが裏をかいた
9月24日(水)秋分の日の翌日、タカ見の広場はものすごい人出でした。関係者の方のお話では300人弱ということで、こんなに見られたら鳥も緊張するんじゃないかってくらい。それは冗談ですが、人が多すぎると、上空からその様子を見て飛行ルートを変えるタカもいるそうなんです。
この時期、愛好家は「信州タカ渡り研」のみなさんが更新しているサイトをチェックしまくります。そのサイトによると、9月後半に入る今の時期、そろそろタカの数が増えてきそうな気配がありました。そこにぴったりなのが”秋分の日”、あまりにぴったり過ぎる祝日の大混雑を警戒して、あえて翌日のド平日を狙ってやってきたら、あらまみんな同じ考えで。駐車場には静岡、神奈川、大阪、京都、三重、愛知、岐阜、群馬ナンバーの車がびっちり。午前8時で駐車場は余裕で満車。

期待に応える数のタカが通過
初めてのハチクマ
上級者はシルエットで識別
役場の松島さんによると、高森にもいるはずのハチクマですが、ま~お目にかかれない。この日は、そのハチクマをお腹いっぱい見ることができました。
とは言え、薄々予想はしていましたが・・・「遠い!」「小さい!」肉眼では絶望的に小さく、望遠鏡を覗いたとて、例えばタカの虹彩の色とか、無理っすよ。そして滑空するタカは「速い!」画面に収めて観察するのも難しい。円を描いて上昇気流に乗るタカは、直進速度は遅いけど、あっちゅう間に空高く舞い上がって黒い点になっちゃうし。
そんななかベテラン勢の皆さんは「お、左からハチ」「下からサッちゃん」「あのちびちゃんはツミか?」って小さなシルエットだけでどんどん識別していきます。何事にも修行って要るもんです。
何はともあれ、なんとか写真も撮ってきましたので。

ハチクマ。松島さんの情報通り、頭が細いというか小さいというか、他の猛禽に比べて。
でもこんなのね、カメラで撮って、後から拡大して見てるからこそで、現場でなんか分かりませんでした。

これもハチクマ。ハチクマのいやらしいのが個体によって羽の色が違うこと。ハチクマの見分け方の一つに”指”みたいな「初列風切(しょれつかざきり)」が長いっていうのもあります。

ハチクマ。タカなのにハチ食い専門という異質な猛禽類。あのスズメバチの巣を掘り返して蜂の子を食べます。仕方なく小動物を狩ることもあるそうですが、繁殖中も渡りの途中も、基本はハチ食い。

ハチクマ。顔が小さく見えるのは、蜂に刺されにくいように羽毛がうろこ状に生えているからって書いてる図鑑もあります。

ハチクマ。見分け方として、尾羽に2本の帯があるっていうんですが、ここまでの写真で帯が2本あるのはこの個体だけ。若鳥は尾羽に横縞が多くなるっていうからこれは成鳥かぁ。目が黒っぽいのはメスか幼鳥だから、これはメスの成鳥?

ハチクマ。これは顔がちょっと白い。

ハチクマ。光彩の色が黄色っぽいのでオス。

ハチクマ。それにしてもハチクマばっかり。

ハチクマ。の、メス?

ハチクマ。もう顔の雰囲気しか共通点ない。

”タカ柱”的な現象。
複数のタカが同一の上昇気流に乗って上昇する様子が柱状に見えるというので”柱”なんですが、相当数が多くないと柱には見えません。これは柱っぽく見えた一瞬のできごと。
500mm相当で撮ってこのサイズですから、どんだけ遠く高いところまで上昇しているか。




サシバ。

ノスリ。高森にいるノスリは渡らないけど、ここで他のタカに混じって飛んでるノスリは渡るらしいです。
タカの渡り観察を終えて
思ったよりムズイ
縄張りが広く、密集して分布しない猛禽類が、目の前でタカ柱を作ったり、1,000羽もの数が目の前を通過するのは非日常な時間でした。北日本でそれぞれが食物連鎖の頂点に立っていたタカたちがこれほどの数集まるなんて。
まーほぼハチクマとサシバ。写真に撮れなかったけど、ツミっていう小型の猛禽も1羽目視できました。他にもオオタカ、チョウゲンボウ、トビ、ミサゴ、ハヤブサなんかが見られるらしいです。
そんで写真。記録に残したいので、望遠鏡を覗くだけじゃなくやっぱり写真を撮りたいのですが、フォーカスの甘い写真ばかり。今回は1,300枚撮ったのに、なんと会心の一枚がありませんでした。何が原因か確かめて、来年までには飛翔写真の腕をあげてもう一度挑戦したいですわ。

サシバは宮古島で越冬する数が多い
2週間後には宮古島
長野県の白樺峠を越えるサシバは、南西諸島に向かって長距離の移動をします。サシバの渡りはまず愛知県・伊良湖岬や鹿児島県・佐多岬などの中継地で再集合し、その後、宮古列島の伊良部島で休息します。成鳥はの飛行速度は平均で時速約40 km、1日で480 kmくらい移動することが多く、朝6時ごろに飛び立って夕方頃に休息地へ入ります。
白樺峠から宮古島までは約1,700 kmあり、途中で風待ちや休息を挟むため実際の移動に10日以上かかります。昨日、白樺峠を越えた個体群は、順調に進んだ場合でも10月上旬~中旬には宮古島に着きそうです。宮古島では10月8日より前に少数が到着して、10月12~18日頃にピークを迎えるというデータと一致します。
飛行機でも時間がかかる宮古島です。何もない海の区間、長いですよ~。鳥の飛行能力ってすごいですわ~。






























