自然/環境

たぶんヒヨドリバナ

町内にたぶんヒヨドリバナの群生地がありました。いろいろな蝶に混じってアサギマダラもちらほら。

ヒヨドリバナは、キク科ヒヨドリバナ属の多年草です。日本全国の山野でごく普通に見られる野草で、秋の七草の一つフジバカマの近縁種なんですが、フジバカマと言えばアサギマダラですよね。アサギマダラと言えばハーモニックロード沿いに「高砂の会」のみなさんがフジバカマを植えてアサギマダラを呼ぼうという活動をされていた時期があります。

フジバカマ三原則


元々日本に自生していた野生のフジバカマは、河川敷の開墾や環境変化によって激減し、一時は「日本の野生原種はすでに絶滅した」と言われていました。園芸店で「フジバカマ」として流通しているもののほとんどは、中国由来の別種や、近縁種のサワヒヨドリなどとかけ合わされた園芸品種(交雑種)だそうです。
ところが、1997年に京都市西京区大原野の貯水池(明治池)の畔で、わずかに自生している野生のフジバカマが奇跡的に発見されました。これが、平安時代の『源氏物語』や『万葉集』に登場する古来のフジバカマと全く同じ遺伝子を持つ、本物の「京都野生原種」であることが証明されると、この原種を絶滅から守るために保全団体が結成され、増殖活動が始まりました。
増殖活動に際して、最も恐れられたのが「他の交雑種との混ざり合い」です。フジバカマ属は非常に交雑しやすいため、せっかくの原種が一度でも他のフジバカマと受粉してしまうと、純粋な京都原種ではなくなってしまいます。そこで、原種の純血性を100%保つために、保全活動における絶対のルールとして以下の「フジバカマ三原則」というものが定められました。
1.種(たね)から育てない
他の花粉と受粉して遺伝子が混ざるのを防ぐため、純粋なクローンを維持できる「挿し芽」だけで増やす。
2.京都から出さない
京都の外へ持ち出すと、管理の目が届かなくなり、他府県の園芸種と交雑するリスクが高まるため。
3.他府県のフジバカマを(京都に)入れない
京都の原種が自生・栽培されているエリアに、外から違う遺伝子が入ってくるのを防ぐため。

高砂の会は園芸種


高砂の会が植えたフジバカマは園芸種でした。原種の開花時期が8月から9月頃なのに対し、高砂の会のフジバカマは11月上旬まで花が残るものがあります。これについての記述が「高森町の動植物」にも載っています。それによると、開花時期が遅いことによって、アサギマダラ以外にもキタキチョウ、モンキチョウ、モンシロチョウ、スジグロシロチョウ、ウラナミシジミ、ベニシジミ、ヤマトシジミ、テングチョウ、アサギマダラ、クモガタヒョウモン、ツ
マグロヒョウモン、キタテハ、アカタテハ、ヒメアカタテハ、クロヒカゲなど多くの蝶を集めていたそうです。
余談だけど、原種のフジバカマがサワヒヨドリと交雑すると早咲きに、マルフジバカマなどの外来・園芸種と交雑すると遅咲きになるようです。

宮田村のフジバカマ


宮田村のマルス駒ヶ岳蒸溜所の近くに「アサギマダラの里」という場所があります。ここにフジバカマについては「京都の大原野(野生原種の発見地)から譲り受けた株を、大切に増やしたもの」というのが地元の定説だそうです。
三原則がガチガチに敷かれる前に、長野県と京都の保全関係者の間で「アサギマダラを呼ぶために、本物のフジバカマを分けてほしい」とう交流があって、そのときに分けてもらったフジバカマが宮田村に植えられたというのは、あり得る話だと思います。本坊酒造からは、毎年「シングルモルト駒ヶ岳 アサギマダラの里」という数量限定のウイスキーがリリースされており、このウイスキーのラベルには、フォトコンテストで選ばれたフジバカマとアサギマダラの写真が採用されることになっています。

ヒヨドリバナ


野生のフジバカマの開花時期は9月から10月、園芸種は8月から9月に咲くタイプと、10月から11月に咲くタイプがあるそうです。6月から咲くのは、フジバカマと近縁になるヒヨドリバナの可能性が高いです。
フジバカマとヒヨドリバナの見分け方は葉っぱ。フジバカマの葉には深い切れ込みがあって3つに分かれています。ヒヨドリバナは切れ込みがありません。

山吹にある花は葉に切れ込みがないからヒヨドリバナですね。
群れてはいませんが、安定してアサギマダラを観察することができます。

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