「議員報酬アップに反対」も可決。報酬に見合う議員の役割とは~木下啓爾議員の議会報告No.23

町議会議員の議員報酬

議員報酬について、報酬等審議会(昨年12月に開催)が町長に「8.76%のアップ」を答申しました。このことによって、3月議会に「議員報酬の引き上げに関わる条例改正議案」が上程されました。
さて、「報酬等審議会」による報酬アップの根拠は、長野県内の類似団体(総務省の分類による11町村)の議員報酬を比較し、その平均に近づけるというものです。

報酬等審議会で審議を重ね、「議員報酬UP」を答申いただいたことと思います。単に数字の操作の様にも見えますが、審議委員の皆様は答申のために普段ご覧いただいている高森町議会議員の姿も考慮していただいた結果だと思います。大変ありがたいことです。
しかし、私はこの条例に「反対」の意思表示をしました。以下が、その反対意見の内容の抜粋です。

私が反対した理由

・・・
先ほどの反対意見(三浦議員)でも「町民の理解が得られない」との発言があった。私もそう思う。
・・・・中略・・・・
普段は「議員は大変だね」と、声をかけて下さる町民の方々がたくさんおられる。しかし、今回の様に「報酬」がクローズアップされた時は「議員はいくらもらっているのか」「報酬に見あるだけの仕事をしているのか」など、厳しい視点で私たち議員を見ている。それは、報酬のもとは「町民の税金」だからだ。
議員報酬について、町民から「議会・議員が町のためによく働いてくれているからアップしてもよい。」というのなら私も「賛成」する。しかし、今回は類似団体の議員報酬と比較してその平均に近づけるというものだ。そこには「高森議会の議員がどのような議員活動をしているのか」の視点は無い。私たち一人ひとりの議員が報酬に見合った仕事をしているか否かは、一人一人の議員自身が考えなければいけない。今こそ考えるべきはそこだと思う。
また先ほど「なり手不足の解消のために議員報酬のアップが必要」との賛成意見があった。確かに、低い議員報酬では「議員のなり手不足」は解決できない。平成31年の報酬改定の時(この時も「反対」は私一人だった)、賛成意見として「議員のなり手不足の問題もあり、月額25万円位が適切」との意見もあり条例は可決された。20万円を超した今回の改訂であるが、これが25万円になるには何年かかるのか。
「議員のなり手不足」と「魅力ある報酬」を考えた場合、その解決方法が無いわけではない。議員定数を再考すればいい。議員一人当たりの年収は、役職に就かない一般議員で期末手当を含めると約300万円。したがって、議員定員を2名減らせば600万円が捻出できる。これを12人の報酬に上乗せすれば、年収350万円になり、月額に換算すると23万円程度となる。
私が議員に立候補した時に、議員定数が15人から14人になった。聞くところによると、区長会から「大規模な議員定数の削減」の申し出があったが、議会での審議の結果「1名の削減」になったとのこと。また、先日の区長と議会運営委員会との懇談会では「議員のなり手不足」について議員からの発言に対して、区長会で「それは、議会で何とかしてほしい」とのお話もあった。
今回の議員報酬の改定については、この賛否だけを考えるのではなく、「報酬に見あうだけの議員としての仕事や役割」についての視点、さらには「議員のなり手不足」の視点や「議会に対する町民意識をどう高めるか」などの問題を提起しているのではないかと思う。
採決の結果、「賛成11反対2」で条例は可決されました。木下の反対意見は、他の議員の心を動かすことはできませんでした。

高森町議会の今をチェック

本年度も、1月の23、24日に大津市にある全国市町村国際文化研修所で実施された研修会に出かけてきました。研修名は「第3回市町村議会議員特別セミナー」、テーマは「福祉」でした。それぞれの専門家の講義から、議員に求められる役割について考えることができました。1泊2日ですが、研修参加費が宿泊費も含めて6,900円と安価で、これに大津市までの交通費(約16,000円)が必要ですが、高森町では議員の「自主研修補助事業(3万円以内)」の制度があるので非常にありがたいです。東京近辺で実施されている一般的な議員向け研修は、1回の講座参加費が2万円から3万円です。これにとうきょうまでの交通費や宿泊費が必要ですので、とても3万円の補助では参加できません。(補助額を越えた場合には、自己負担ですが・・・)しかし、昨年参加した市町村職員中央研修所(千葉市)や今年の全国市町村国際文化研修の研修は総務省が管轄しているので、参加費は宿泊費込みで6,000円から7,000円ほどです。しかも、講師陣も一流です。そのため、全国からおおくの市町村議員が参加されています。
今回「高森議会の今をチェック!」のコラムで私が言いたいことは、「高森議会議員は、町の補助制度があっても自主研修に出かけない。」ということです。私は3年連続で自主研修(うち1回はコロナのために議会全体で研修費補助を返納したので自費参加でした)に出かけました。しかし、私の他に自主研修に参加した議員は誰一人いません。なぜなのでしょうか?毎回、全議員の前で短時間ではありますが「研修報告」もしています。議会だよりでも特別枠で自主研修報告を掲載しています。「自主研修への補助制度」を知らない訳ではないと思うのですが・・・。

情報提供:木下啓爾議員

木下啓爾議員

牛牧区 2期目
・果樹農家
・総務民生委員会委員長
・議会運営委員会委員
・下伊那北部総合事務組合議会
・趣味は家庭菜園、家庭果樹園
「まちづくり懇談会」を始めとする町の主要な行事やイベントには可能な限り参加し、町民の皆様の声を聞くようにしています。
自分の議員活動や議会の様子をご理解いただくことをことを目的に、「議会報告」を3カ月に1回発行しています。550部ほど印刷し、牛牧区の全戸と町内の支援者にお配りしています。

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